「サッカーのポジショナルプレーって何?」
「優位性や具体例について知りたい!」
「ポジショナルプレーをすることでどんな良いことがあるの?」
本記事では、このような方に向けてポジショナルプレーについて解説していきます。
目次
それではさっそく見ていきましょう。
ポジショナルプレーとは?
ポジショナルプレーとは、ピッチ上のどこにボールがあるかを踏まえて、選手たちが正しいポジショニングをしていこうとする考え方のことです。
そして、ポジションで優位性を獲得することにより、試合を有利に進めることを目指します。
といっても難しいと思うので、簡単な例を挙げます。
こちらの右と左では、どちらのポジション取りが良いでしょうか。
DFの背後に立った方がマークも付きづらくゴールに近いため、右のポジションの方が良いですよね。
「そんなの当たり前じゃないか」と思うかもしれませんが、これこそがポジショナルプレーの本質なのです。
ポジショナルプレー≠ポゼッション
よくある間違えなのですが、ポジショナルプレーとはポゼッションを高める方法ではありません。
先ほども触れた通り、あくまでピッチ上で優位性を確保するためのノウハウです。
攻撃をしている時も守備をしている時も、ポジショナルプレーの概念は必要になってきます。
チェスから生まれた概念
そもそもポジショナルプレーとは、チェスから生まれた概念です。
チェスの世界では以前から「ポジショナルプレー」という言葉が存在しており、アメリカで有名なチェスプレイヤーのボビー・フィッシャーは
と語っていたようです。
ポジショナルプレー3つの優位性
ポジショナルプレーは、正しいポジション取りによって優位性を獲得する考え方と説明しました。
それでは、優位性とは一体何なのでしょうか?
優位性には
- 量的優位性
- 質的優位性
- 位置的優位性
の3つがあります。
これらについて、簡単に解説していきます。
量的優位性
量的優位性とは、簡単にいうと「数的有利によって生み出される優位性」です。
アンカーの選手がDFラインに落ちることがよくあると思いますが、これは数的有利を作ることでビルドアップを助ける効果があります。
質的優位性
質的優位性とは、「選手の特性によって生み出される優位性」です。
高い個の力を持つ選手をあえてアイソレート(孤立化)することにより、相手DFと1対1の状況を作り出して突破するという戦術があります。
位置的優位性
位置的優位性とは、「ゴールにより近い位置や相手の迷いやすい位置にポジションを取ることによって生み出される優位性」です。
冒頭の例は、位置的優位性にあたりますね。
ライン間や相手の間でパスを受けると複数の選手を引き付けることになるので、別のエリアで量的優位性を確保することにつながります。
ポジショナルプレーの具体例
ポジショナルプレーについて理解したら、ポジショナルプレーを実現する方法や具体的な戦術を見ていきましょう。
ここでは、
- 5レーン理論
- 偽9番
- 偽サイドバック
について解説します。
5レーン理論は「ポジショナルプレーを実現する方法」、偽9番と偽サイドバックは「具体的な戦術」に該当します。
5レーン理論
5レーン理論とは、ピッチを縦に5分割した上で各選手のポジションに関する約束事を決めるプレーモデルのことです。
このようなエリアに分けて、ポジショニングのルールを決めることで均等に選手を配置します。
これにより、ピッチ上に常にトライアングルを作り続けて量的優位性と位置的優位性を確保します。
偽9番
偽9番とは、9番(センターフォワード)の選手が中盤に落ちてゲームメイクに参加する戦術のことを言います。
これによって、中盤の選手が増えるため、量的優位性を確保することができます。
2009年のエル・クラシコで、当時バルセロナの監督であったペップ・グアルディオラがメッシを偽9番として起用し、レアル・マドリードの守備を崩壊させたことから有名になった戦術です。
偽サイドバック(偽SB)
偽SBとは、普通はタッチライン際にポジションを取るSBが中央に絞ってビルドアップに参加することです。
これによって、中盤では量的優位性を確保し、個の能力が高いWGのアイソレーション(孤立)によって質的優位性を十分に活かすことができます。
また、偽SBの元となった戦術として、片方のSBのみが内側に絞る「アラバ・ロール」があります。
ポジショナルプレーを理解して観戦してみよう
以上のように、ポジショナルプレーはとても奥深い概念です。
ただし、全ての要素の元となっている概念なのでしっかりと理解できると、サッカー観戦をもっと楽しめるようになります。
ポジショナルプレーと対立する考え方として、ストーミングという概念もあります。
サッカー用語について理解すると観戦をより楽しむことができるので、ぜひ色々な用語を学んでみてくださいね。
今回はこれで以上となります。
最後までご覧いただきありがとうございました。