
サッカーのアイソレーションって何?どんなメリットがあるの?実際にアイソレーションが行われている動画も見てみたい!
本記事では、このような方に向けてアイソレーションについて分かりやすく解説していきます。
目次
それではさっそく見ていきましょう。
アイソレーションの意味
アイソレーションは、日本語で「孤立」という意味です。
サッカーにおいては、選手をあえて味方から遠い距離に配置し、孤立化させることを指します。
アイソレーションを効果的に取り入れることで、相手と1対1の状況を多く生み出し、ドリブラーのような個の能力が高い選手を最大限に活かすことができます。
アイソレーションの作り方
ここでは
- オーバーロード
- 偽サイドバック(偽SB)
- 偽9番
という3つのアイソレーションの作り方を紹介します。
オーバーロード
オーバーロードは、日本語で「過負荷」という意味です。
サッカーにおいては、あるエリアに選手を集中させることを指します。
アイソレーションと反対の意味を持つ言葉ですね。
オーバーロードすることによって、相手選手を特定のサイドに集中させ、逆サイドでアイソレーションを作り出すことができます。
また、オーバーロードには、選手間の距離が近くなるためパスのテンポが良くなる、ボールを奪われても即時奪回しやすいというメリットもあります。
偽サイドバック(偽SB)
偽サイドバックとは、サイドバックの選手が内側にポジションを絞り、中盤の選手のようにビルドアップに参加する戦術です。
サイドバックが内側にポジションを取ることで相手選手が釣られて、ウイングの選手に相手と1対1の状況を作り出すことができます。
また、偽SBには、中盤で数的優位を作ることができる、選手が集まりやすい中央のエリアをカウンターで使われにくくするというメリットもあります。
しかし、サイドバックの選手には、中央でも問題なくプレーできるクオリティが求められるため、難易度の高い戦術です。
偽9番
偽9番とは、FWの選手が9番(センターフォワード)の位置にいながらも、時には中盤まで落ちてゲームメイクに参加する戦術です。
偽9番の選手に相手CBがついてくると、相手SBは中央に絞る必要が出てくるため、ウイングの選手にアイソレーションの状態を作り出すことができます。
また、偽9番には、中盤で数的優位を作ることができる、相手CBのマークを迷わせることができるというメリットもあります。
しかし、センターフォワードの選手には、ストライカーとしての決定力とパスセンスの両方が求められるため、こちらも難易度の高い戦術です。
【動画】アイソレーションを観てみよう
ここでは、実際の試合で行われていた3つのアイソレーションの事例について、動画を用いて解説していきます。
ドリブラーを最大限に活かす
SBの中山(20番)はライン際でボールを持った三笘と距離を取ることで、アイソレーションの状態を作ります。
これによって、相手DFと1対1になった三笘は得意のドリブルを開始。
アイソレーションによって生まれたスペースを活用して、次々とDFをかわしゴールを決め切りました。
ここで、もし中山が三笘の近くでサポートに入っていたら、他の相手DFが寄ってきてここまでのスペースを生み出すことは出来なかったでしょう。
このように、アイソレーションを上手に使うことで優秀なドリブラーの力を最大限に発揮することができます。
オーバーロードでアイソレーション
動画が開始した時点で、両チームの選手がピッチの片方のサイドに固まっているのがわかると思います。
これは、シティが意図的に左サイドでオーバーロードを作っていることで生まれている状況です。
狭いエリアを打開すると、逆サイドでアイソレーションの状態であったマフレズ(26番)にボールを渡し、DFと1対1に。
ドリブルとカットインシュートを得意とするマフレズがしっかりと決め切りました。
シティのように、片方のサイドでオーバーロードを作り、もう片方のサイドに1人で決め切れる選手をアイソレーションの状態にしておくのは近年よく見られる戦術です。
偽SBでアイソレーション
Things you love to see 👇
⚽️ @Sure
🔷 #ManCity | https://t.co/axa0klD5re pic.twitter.com/Z8TXoCWJr1— Manchester City (@ManCity) February 8, 2021
右サイドバックのカンセロ(27番)は、ピッチ中央にポジションをとっています。
いわゆる偽SBの状態です。
これによって、サイドで幅をとっていたフォーデンがアイソレーションの状態に。
得意のステップが細かいドリブルと強烈なシュートでゴールを決め切りました。
今回はフォーデンが決め切りましたが、最後のシーンでカンセロが中央でフリーになっていることがわかると思います。
このように、アイソレーションした選手をケアするために相手DFが寄っていき、逆に偽SBの選手がフリーになってゴールを決めるということもあります。
アイソレーションに注目しよう
アイソレーションについて解説していきました。
この戦術は近年よく見られるので、サイドに特別なドリブラーがいるときは、その選手を活かす動きに注目してみるとより観戦が楽しくなるかもしれません。
今回はこれで以上となります。
最後までご覧いただきありがとうございました。