
サッカーのゾーンディフェンスって何?どんなメリット・デメリットがあるの?実際にゾーンディフェンスを行っている動画も見てみたい!
本記事では、このような方に向けてゾーンディフェンスについて分かりやすく解説していきます。
目次
それではさっそく見ていきましょう。
サッカーのゾーンディフェンスとは?
ゾーンディフェンスとは、味方の位置とボールの動きに合わせてスペースを埋めるようにディフェンスを行う戦術です。
対になる戦術として、相手選手に合わせて守備を行うマンツーマンディフェンスがあります。
ゾーンディフェンスでは、チャレンジ&カバーとスライドという動きが重要になります。
それぞれについて解説していきます。
チャレンジ&カバー
チャレンジ&カバーとは、ディフェンスの選手が2人いるときに1人がボールホルダーに対応し(チャレンジ)、もう片方が空いたスペースのカバーに入る守備のことを言います。
画像のように、チャレンジの斜め後方にカバーが入ることで、チャレンジの選手が剥がされたとしてもすぐに対応することができます。
しかし、カバーの選手が対応するということは今度のそこにスペースができてしまうことになりますね。
ここで、必要になってくるのがスライドという動きです。
スライド
スライドとは、チーム全体による横方向へのマークの受け渡しや空いたスペースのカバーに入る動きのことを言います。
チャレンジ&カバーで空いてしまうスペースは、チーム全体が圧縮するように動くことで埋めることができます。
また、相手にサイドチェンジをされてしまった場合でも、ボールの移動中にスライドを行うことで守備ブロックを崩すことなく、対応することができます。
ゾーンディフェンスのメリット・デメリット
ゾーンディフェンスのメリット
ゾーンディフェンスには
- 守備の穴ができにくい
- 1人抜かれても守備が崩れない
- スタミナ消費が少ない
というメリットがあります。
守備の穴ができにくい
ゾーンディフェンスは常に危険なスペースを埋めるように動くための戦術なので、守備の穴ができにくいです。
縦横コンパクトに守ることもできるので、相手がパスワークの優れたチームだったとしても崩すのは困難でしょう。
1人抜かれても守備が崩れない
先ほど説明した通り、ゾーンディフェンスはチャレンジ&カバーが基本となっているため1人剥がされたとしても、チーム全体で補うことができます。
マンツーマンディフェンスでは1対1で負けてしまうと数的不利ができて守備組織が崩れてしまいますが、ゾーンディフェンスはボール付近で常に数的有利を作るよう動くため守備が崩れにくいです。
スタミナ消費が少ない
ゾーンディフェンスはマンツーマンディフェンスと違って相手の動きに合わせるのではなく、味方の位置とボールの動きに合わせて守備を行うので、走行距離を抑えることができます。
そのため、90分間通して堅い守備を継続したり、カウンターのシーンで一気に力を使ったりできるため、非常に効率的な守備戦術だと言えます。
ゾーンディフェンスのデメリット
ゾーンディフェンスには
- 戦術理解が必要
- 連携が悪いと隙ができる
- ドリブルに弱い
というデメリットがあります。
戦術理解が必要
ゾーンディフェンスは正しい立ち位置を常に取り続ける必要があるため、選手が戦術を細かい部分までしっかりと理解している必要があります。
そのため、90分間無失点で耐えることを考えると、戦術としての難易度は非常に高いと言えるでしょう。
連携が悪いと隙ができる
個人が戦術を理解していたとしても、チームでチャレンジ&カバーとスライドが出来ないとゾーンディフェンスに隙が生まれてしまいます。
ちなみに、ハリルホジッチ元日本代表監督は、選手に適切な距離感とチャレンジ&カバーを教えるためにゾーンディフェンスの練習にロープを用いていたそうです。
ロープに沿って動くだけで、自然とスペースを埋めることができるので面白い練習方法ですよね。
ドリブルに弱い
ゾーンディフェンスは、選手と選手のつなぎ目をドリブルで突破されることに弱いです。
なぜなら、2選手の間に仕掛けることでどちらが出るべきかわからず、スルスルと持ち上がられてしまうことが多いからです。
しかし、コンパクトにブロックを作ることができていれば、選手間の距離が縮まるのでドリブルを仕掛けるスペースをなくすことができますね。
実際の動画を見てみよう
ここではアトレティコ・マドリードが行うトップレベルのゾーンディフェンスを見てみましょう。
アトレティコのシメオネ監督は緻密な守備戦術を使うことで有名です。
アトレティコのゾーンディフェンス
説明は全て英語ですが、ここまでに説明した部分を意識しながら見てみましょう。
選手同士でとても美しい連携が取れていることがわかると思います。
この動画でのアトレティコは自陣深くまで引くのではなく、ある程度高い位置から相手を追い詰めていく攻撃的なゾーンディフェンスを行っていました。
ゾーンディフェンスに注目しよう
ゾーンディフェンスについて解説していきました。
守備は注目されることが少ないですが、この記事で伝えたポイントを頭に浮かべながら試合を見ると守備の美しさに気づけるかもしれませんね。
今回はこれで以上となります。
最後までご覧いただきありがとうございました。